映画ブログのはずがゲームブログになりつつある。そんなブログ。

2013/09/24

引退会見を聴いて

宮崎駿の引退記者会見を遅れて視聴しました。私自身は、今まで特別なジブリファンというわけではなかったのですが、今回の風立ちぬは、個人的に宮崎映画の中で一位二位を争う作品で、興奮冷めやらないままで迎えた引退発表でした。正直言うと、以前放送されたNHKプロフェッショナルでのドキュメンタリーの時に、なんとなく、もうこの先作品を作るのだろうか、という疑問は少し抱いてはいました。年齢や体調のことや、一つの作品に多大な時間と労力を割くことが強く映されていたので。

いくつか印象に残った言葉を。

僕の長編アニメーションの時代ははっきり終わったんだ、というふうに…(13分ごろ)
子供たちにこの世は生きるに値するんだということを伝えるのが、自分たちの仕事の根幹になくてはならない(24分ころ)
(文化人ではないという文脈で)僕は町工場の親父でして、それは貫きたいと思っています(30分ころ)
終わりまで分かっている作品は作ったことがない。最後まで見通せる作品は僕がやらなくていいと勝手に思って…(作りながらも考えられるっていうことが良かったというような文脈で)(45分ころ)
アニメーションというのは、世界の秘密をのぞきこむことだ。(1時間17分)
自分が手抜きしたんなら後悔が…(55分あたり)
アニメーターという職業は自分にあっているいい職業だったと思っています。(47分ごろ)
ドロドロとしたもの(60分ころ)

言及された作品や作り手
高畑勲(まあ当然)
ノルシュテイン、外套
児童文学
半藤一利
ポール・グリモー「王と鳥」
とかとか。

いつまで観られるかわかりませんがニコ生リンク下に置いときます。
(放送終了後の視聴ってプレミアムのみでしょうか?すみません…私も一般会員です)

あっ、ワーグナーじゃないですかwっていうのはナチスの流れの部分を意味してるんですかねー…あと神曲の話と風立ちぬのラスト。教養求められてる感がちょっと…ベアトリーチェ=菜穂子にしたかどうか…というのを考えて結局やめたらしいですね。ふむふむ。

作品を観て自身の考えを読みとってくださいというスタンスは変わらず、作品を作る人間としての振る舞いで一貫している感じ。言いたいことも多分根底はそんなに変わってないんじゃないでしょうか。(引退宣言は何回もありましたが 笑)
ただ、記者さんも自分が何かしら発言しようと必死なんだと思いますが、なんとなくこんなこと言うんだろうなと想定できる答えを改めて宮崎駿の口で確認するんじゃなくて、あらたな切り口で質問をしてくれると理想ですねー。


2013/09/01

スパイク・リーの見るべき映画リストの追加分

ちょっと前に、スパイク・リーの見るべき映画リストが話題になっていました。そのあとに数本追加があったのですが、ツイッターでは前者ほどのリツイートを見かけなかったので紹介です。

話題になっていた記事↓
スパイク・リー監督がNYU映画学科の学生に配布する「見るべき映画86本」(映画.com)

追加分は女性監督の作品です。(下記サイト参考)
Spike Lee Admits He's Wrong, Adds Eight Films By Women to His List of Essential Movies | Filmmakers, Film Industry, Film Festivals, Awards & Movie Reviews | Indiewire

映画題名と監督名
"The Piano(ピアノ・レッスン)" Jane Campion (1993)
"Daughters of the Dust(自由への旅立ち)" Julie Dash (1991)
"The Hurt Locker(ハート・ロッカー)" Kathryn Bigelow (2008) 
"Sugar Cane Alley,(マルチニックの少年)" Euzhan Palcy (1983)
"The Seduction of Mimi" Lina Wertmuller (1972)
"Love and Anarchy" Lina Wertmuller (1973)
"Swept Away(流されて...)" Lina Wertmuller (1974)
"Seven Beauties(セブン・ビューティーズ)" Lina Wertmuller (1975)
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原恵一インタビュー動画まとめ(「カラフル」)

カラフルの時の原恵一インタビュー動画を見つけたので紹介です。
そうそう、私この映画の音楽が好きでサントラほしいなーと思ってます…
まだ買ってないけど…

一つ目はフランス語、二つ目はドイツのもの(英語字幕)ですが、原監督のことばは日本語ですので、質問部分がわからなくても大丈夫だと思います。



 二つ目。ドイツということで、監督からヴェルナー・ヘルツォークの話がでます。




それではまた!
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31. 今宵、フィッツジェラルド劇場で / A Prairie Home Companion (2006)

[雑あらすじ](5月に見ました…)
ロバート・アルトマンの遺作。ラジオ音楽番組の生放送が行われる劇場が舞台。長年続いてきた番組の最終回の日に、劇場で起こる群像劇。

[感想メモ]
ここで描かれるラジオ放送は実在しており、作中ではそのラジオの説明はほとんどないので、それを知っているか否かでまた少し印象も変わってしまうかもしれません。ですが、何も知らない私でも十分味わい深い作品だと思えました。
メリル・ストリープが歌う場面、彼女がアップで映る時、画面にぐっと引きこまれてしまったんですよね。ステージの映像で、何か込められた台詞を言うわけでもなく、ただ歌っているだけなのに、見入ってしまう。すごい。それだけ彼女の演技には惹きつけるものがあるし、それを最大限に活かすようなスタッフや演出もいいな、と。これからアルトマン作品少しずつ見ていきたいですね。天使の輪の光(作中に登場する「天使」が現れるときに後ろの蛍光灯が天使の輪のように光る)など、細かいこだわりも素敵でした。あと、本編と関係ないけれど、劇場のグリーンの壁が好きでしたね。楽屋の雰囲気も良い。

ついていた音声解説がこれまた良かったです(…個人的にはケヴィン・クラインの声がツボ)。アルトマンとクラインの二人の解説だったのですが、彼らのユーモア溢れるやりとりが最高でした(レンタルでも特典映像入ってると本当嬉しいですよね)。特に記憶に残ったのは、楽屋に配置された鏡の話。どこか一点に観客の視線を集中させるような撮り方じゃなくて、鏡の中に様々に分散された「見るもの」を観客が選択するようにしている…といった内容でした。

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