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2013/01/02

11. レ・ミゼラブル / Les Misérables (2012)

新年一本目の映画は、レ・ミゼラブルでした。
私は、恥ずかしながらユゴ―の原作もミュージカルも観たことがないので、
最低限の知識のみを持って映画館に行ってきました。
(原作が好きな友人と行ったので、鑑賞後の会話から学ぶことが多かったです。)



今回初めて「レ・ミゼラブル」を体験した私がストーリーや歌について語ることは難しいため、
映画の特徴に関連した点のみ、触れていきたいと思います。
それでは。

まず、この作品では、
映画でしかできないこと(言いかえれば舞台ではできないこと)
を強く意識しているのではないか、と感じました。
例えば、歌唱シーンでのアップの映像が多いこと。
特に見せ場となるような、重要な歌の場合はそれが顕著でした。
そして、アップから一気にズームアウトする、というパターンが何回かあったように思います。
他にも、カメラに角度を付けて登場人物の関係や心情を表現したり、
手持ち風のでのショットが多く、
臨場感あふれる映画ならではの試みがされていたのではないかと感じました。

ビスタサイズなので、普段映画館でシネマスコープを観慣れていると少し狭く感じるかもしれませんが、
私は、幅が狭くても、映し方によってこんなに背景等を迫力を持って映しだすことが出来るのだと驚きました。最後のシーンなど、圧巻です。

アップで歌唱シーン(しかも音声を後から付けてない)を聴くことができ、
息づかいや顔の赤らみ、そして表情が、演技とは思えないくらい登場人物の心の叫びを伝えていました。
特に、ジャン・バルジャン役のヒュー・ジャックマンは、驚くべき演技でした。
ほかのキャストの演技(個人的にはファンテーヌやエポニーヌが特に)も素晴らしかったのですが、
出番の多さにも関わらず、この演技・歌唱を安定して披露することができるヒュー・ジャックマンは、さすが舞台経験の豊富な俳優という感じです。


また、
主要登場人物による独唱の時は、アップで比較的カメラを動かさず、一方その他大勢の合唱では編集の細かい動きのある映像になっていたり、
シリアスなジャン・バルジャン中心のシーンとコメディー部分(テナルディエ夫妻中心)がはっきりと分けられており、
3時間近くの長さを感じさせないようなメリハリのある演出がされていると思えました。
時間の制約からか、結構ぶつ切りに話が飛ぶように感じられた部分もあるのですが、
長編小説を一本の映画にまとめるとなったら仕方がないのかもしれません。


今回私が鑑賞中に気になったのは音響です。
冒頭(前半?どのへんだったか忘れました…)の馬の駆ける音は物語の中に一気に引き連れるような良い効果を出していると思いました。
歌唱の入る部分では、声が全面に出ていて、オーケストラが一歩引いたような音量バランスの部分が多かったように思うのですが、
個人的にはもう少し声とオケが合わさってる感じでも良かったです。
(でも曲による)
あっ…もしかしてこの違和感は、歌と演技を同時に撮った(録った)ことによるためで、
この映画では、音楽ー歌よりも、歌ー演技のほうが繋がりが強い…という可能性もあるかもしれない…と今ちょっと思いました。

楽しみにしていた期待を全く裏切らない、それでいて衝撃的な、力のある映画でした。映画館で体験できて本当に本当に良かったです。

もうひとつ、
いつもこのように作品の舞台と言語が一致していない映画を観るたびに思うのですが、
別にフランスが舞台で英語の台詞でもまったく気になりませんよね(たぶん)。
 小説などでも翻訳作品を受容することに私たちは慣れていますし、その不一致を気にせずに作品世界に入れますが、これって本当は不思議なことなのではないか…と少し疑問に思いました。

あ、そうそう、今回の映画の公開もあり、なんだか忘れ去られていそうですが、
1998年のリーアム・二―ソン版「レ・ミゼラブル」もあるんですよね…
こちらはミュージカルではないのかな…??
うーむ…興味あります。

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