映画ブログのはずがゲームブログになりつつある。そんなブログ。

2013/01/27

15. ギルバート・グレイプ / What's Eating Gilbert Grape (1993)

今はテスト・レポート期間なのですが、気晴らしでDVDを観ました。(1/25)
ギルバート・グレイプ。前から観てみたかった映画です。



まず、何よりも素晴らしかったのは、レオナルド・ディカプリオの熱演です。主人公の弟である、知的障害の少年を演じていたのですが、この年でこんなにもなりきれるものなのかと、ひたすら驚くばかりです。
この演技だけでも、本当にこの映画は観る価値があります。

主人公ギルバートを演じるのは、ジョニー・デップ。私は、彼はコスチュームプレイよりもこういう普通の役がはまっていると思います。視線で感情を物語るのが上手で、ギルバートの視点で自然に物語を追体験できます。

この物語では、障害のために感情を正直に表す弟と、周りのために自分を押し殺す兄ギルバートの姿が対照的に表現されていました。
自分は何のために生きているのか…?毎日の生活をふと顧みると、そのように思うことも多いと思います。家族や家が自分の足かせに思えたり、外に出たいと思ったり…
人生ってちょっとした悩みや問題の積み重ねなのかもしれませんね。
主人公に非常に共感でき、じんわりとした心の安らぎが得られる映画でした。

二人を中心として物語は進むのですが、さびれた田舎の人々の様子も丁寧に描写されます。
理想的な生活を送る人物は一人もおらず、みんな何かしらの現実と向きあっていて、その葛藤を彼らなりにどうにかしようとする姿には、勇気付けられました。

また、一回出てきたちょっとした小話が、後でちゃんと繋がることが多く(FOOD LANDやバーガーショップの話など)、クスッと笑えました。脚本(原作者のPeter Hedgesが書いてます)がしっかりと構成されているのだと思います。

映像としては、さびれていて閉鎖的な田舎での砂っぽさ(ほこりっぽさ)が画面中から伝わってきました。また、音楽は少なめで、そっと映像に寄り添うよう。

そうそう、これを観ながら私は「終わりで始まりの4日間」という映画を思いだしました。
主人公の背景は全く違いますが、映画の雰囲気やテーマ、個性的で自由な女性によって主人公が心の安らぎを得ていく姿には、重なるものがあります。
あと、この街の荒廃感は「バグダッド・カフェ」にも似てますね。

 

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