映画ブログのはずがゲームブログになりつつある。そんなブログ。

2013/01/16

13. 英国王のスピーチ / The King's Speech (2010)

12.で感想を書いた「レ・ミゼラブル」の余韻に浸りつつ、同じくトム・フーパー監督の作品である「英国王のスピーチ」を観ました。(1/3)
色々あって更新もメモもできてなかったので、内容を思い出しつつ書いていきたいと思います。




まず、これは観よう観ようと思いつつ放置していた映画の一つで、
観たかった理由は、まあもちろん賞を獲りまくったということもありますが、普段あまり映画を観ない友人たちからも高評価を得ていたためです。
(放置していた理由は…つい忘れてただけです…)


気付いた点をいくつか。

最初に、画面の中心からわざとはずして人物を映すことが多い(前半特に)と思いました。
ジョージ6世やエリザベスに対して使われることが多く、私はこの独特の雰囲気がとても気に入りました。不安な心情が画面からも伝わってきます。

次に、モノクローム映像のような色彩が印象的でした。
この時代のイギリスがそうなのか表現なのかはちょっとわかりませんが。

あと、オープニングクレジットが題名と配給くらいしかないですね(そういやレミゼも)。


また、王室の人間と一般人の距離の取り方を上手に描いているように感じました。
一回目では気付かなかったのですが、初めてエリザベスが身分を隠してローグに会う時、
彼が近付いた(彼女にとっては近づきすぎた)時に一歩静かに下がったり、
同様に、身分差が分かってからは、ローグが一歩下がるところがあります(どこだか忘れましたが前半らへん)。

物理的な距離がそのまま精神的距離感としても表されていて、
物語の中盤でジョージ6世とローグが一時不和になるところでも、彼らが離れていくのと心が離れていくのが重なっていました。

大雨の日に帰らされてしまったり、寺院であからさまに嫌がられてしまったり、
権力も肩書きもない(しかも植民地出身で)ローグは王室の周りの人々からは思いやりなく接されますが、
それに対して彼は表情のみで答え、それが観客にも伝わってくるので良かったと思います。

コリン・ファースの演技は、吃音の再現が上手いというだけではなく、
ジョージ6世が向かう相手によって精神状態が異なる(→吃音にも影響する)様子を演じわけている点が評価されるべきだと思いました。


初めは、ジョージ6世が娘たちにペンギンの話をしたシーンは、何のためにあるのだろう?と思ったのですが、
見返してみると、家族に対しては吃音になってないことが明確に示唆されている場面だと気づきました。
父親としての王を描くだけには少々話が長く思えたので、(私の気づきが合っているかは分かりませんが、)納得です。


芸術的にどうこう、というだけでなく、観ていて心から楽しめる映画でした。笑えるところもありますし。感情移入もしやすい。定期的に観たい映画です。

「レ・ミゼラブル」、「英国王のスピーチ」…とトム・フーパー作品が気に入ったので、
「くたばれ!ユナイテッド」、「レッド・ダスト」と遡って観ていきたいと思ってます。
サッカーに詳しくないので、先にレッド・ダストにしようかな…?

個人的には海外版のポスターのほうが好きですが、リンクはjp版です。

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