![王と鳥 スタンダード版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51fPsixQGgL._SL160_.jpg)
「やぶにらみの暴君」として1952年に公開された作品の改作版。
舞台は、傍若無人な独裁の王様が支配する国の城。そこにはある賢い鳥が住んでおり、王の傍若無人さを非難していた。城の王の部屋には、羊飼い娘と煙突掃除人が描かれた絵があり二人は惹かれ合っているが、王は絵画に描かれた羊飼い娘と無理やり結婚しようとする…。
*鳥はしゃべれます
[感想]
宮崎・高畑両監督の作品に、直接の影響を与えたアニメ。鑑賞するとそれがよく分かります。高畑監督は本当にこの作品に対する思い入れが深く、色々本も書いてます(読みたい)。
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鳥が常に一枚上手であり、王や人間が滑稽に描かれていたり、絵の中に描かれた少女に王が夢中になってしまったり、設定が面白いです。アンデルセンの「羊飼い娘と煙突掃除人http://en.wikipedia.org/wiki/The_Shepherdess_and_the_Chimney_Sweep」が原作。見方によっては社会風刺的なメッセージを如実に読み込むこともできますが、普通のファンタジー作品としても面白い映画でした。キャラクターの動きは、ディズニーアニメにも似た喜劇的な表現です。
哀愁を帯びた音楽が素晴らしいのですが、元のやぶにらみの暴君だと雰囲気が異なったらしいです。
『やぶにらみの暴君』の音楽は、プレヴェールと名曲『枯葉』を作った作曲家ジョゼフ・コスマが担当したが、先の事件の過程でプレヴェールとコスマは決別し、『王と鳥』の音楽はポーランド出身のヴォイチェフ・キラールが手がけた。ただし、キラールの主張もあり、『やぶにらみの暴君』のコスマ作曲の歌7曲の うち4曲はそのまま活かされている。(http://www.ghibli-museum.jp/outotori/boukun2outotori/)簡単に言ってしまえば王から逃げて倒そうというシナリオですが、背景として悲観的な展望が伺われるのが複雑な話だと思います。だからこそこのしんみりとした音楽が合うのですが。是非「やぶにらみの暴君」と比較して見たいと思うのですが、こちらはもう出回っていないんですよね。残念です。
*
映像特典として太田光と高畑勲の対談が入っていました。王と鳥の日本での公開時に行われたイベント(ゲド戦記の公開日と同日にあった)で行われたものです。
そのイベントにおいて、高畑監督が最後に引用するグリモー(王と鳥の監督)の言葉が良い。以下引用。
私はいつも私たちの作品を見てくれるであろう人々に思いをはせます。
私たちが彼らに言おうとしたことのすべて、
私たちが種を播いたすべて、
それらは映画が終わって灯りがともった時に、
あとかたもなく消え去ってしまうものではないのです。
それらが歩み続け、種がひとつでもあればその種が芽を出しはじめるのは、
まさに観客の心のうちでなのです。
私たちは私たちのもっともしあわせな夢々にいのちを与えることができるのですから、
それならば、私たちのもろもろの悪夢が現実にならないためにも、
あらゆることをしなければなりません。
全文は以下サイトへ
http://www.ghibli.jp/outotori/special/girmault/
引用を二つもしてしまって、どうも卒論モードが抜けないようです(だったらブログじゃなく卒論進めろって感じですが)。頑張ります…
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